今回『ベストキッド』関連の興収を調べているうちにどうせならと、以前から興味のあったジャッキーチェン映画の興行成績についていろいろ調べてみました。
一応テーマとしては「興行成績から見た世界のジャッキーチェン市場」。
今の日本はジャッキーにとって魅力のある市場なのか。
地元香港での現在のジャッキー人気はどうなっているのか。
映画市場が急拡大している中国ではジャッキー映画は好まれているのか。
ハリウッドでのジャッキーチェンはどんなポジションにいるのか。
などなど、各国、各作品でのジャッキー映画興収をもとにして考えてみました。
第1回目は、おおまかに世界全体の市場と2003年以降のジャッキー作品について見ていこうと思います。
各国の映画市場
ジャッキー作品の各国の状況を見るまえに軽く市場自体の規模を把握しておかなければ、ということで主要国の市場規模を分かる範囲で調査。
国名 | 総興行収入 | 対象年 |
---|---|---|
アメリカ | 10,593,000,000 | 2009年 |
日本 | 2,203,000,000 | 2009年 |
フランス | 1,685,000,000 | 2008年 |
イギリス | 1,582,000,000 | 2008年 |
ドイツ | 1,175,000,000 | 2008年 |
中国 | 995,000,000 | 2009年 |
ロシア | 830,000,000 | 2008年 |
韓国 | 614,000,000 | 2007年 |
香港 | 150,000,000 | 2009年 |
台湾 | 80,000,000 | 2007年 |
おぉ!意外にも日本の市場が大きい。でも、日本は邦画の割合が大きい(57%が邦画!)ので今回のジャッキー映画という視点で観るとこの表は適切ではないかもしれませんが、とりあえずここではサラッと流します。
あと、こんな地図も作ってみました。それにしても随分といろんな国で公開されてるんですね。結構、意外なところで公開されてたり。なんか今の世界がちょっとわかるような地図だと思いませんか?
2003年以降のジャッキーチェン作品の全世界興行収入
下の表は、2003年以降のジャッキーチェン主演作品で以下の11作品とまだ各地での公開が控えている『べストキッド』を加えた12作品です。
今回、大きく「ハリウッド作品」と「アジア作品」という分類分けをしていますが、『メダリオン』や『ベストキッド』などの合作映画は「ハリウッド作品」として扱っています。
下表の公開国数は、公開日が判明しているものの国数なのでもしかしたらまだあるかもしれません。あくまで参考程度に。また、当ブログでの興行成績は管理人が大体当時のレートでドル換算した金額なども含まれますのでこちらも参考程度にお願いします。あと、参考までに各作品の製作費も記載しています。
ちなみに公開国数は正確なものではありません。(中央アメリカなど複数の小国を1つとしてカウントしている場合もあるため)気楽に見て下さい。
全作品の興収データや製作費は別の回で記載予定です。
作品名 | 初演の 公開年 | 区分 | 公開国数 | 世界興行収入 | (参考)製作費 |
---|---|---|---|---|---|
シャンハイナイト | 2003年 | ハリウッド | 44 | 83,320,739 | 50,000,000 |
メダリオン | 2003年 | ハリウッド | 37 | 33,486,978 | 41,000,000 |
80デイズ | 2004年 | ハリウッド | 50 | 72,178,895 | 110,000,000 |
香港国際警察/NEW POLICE STORY | 2004年 | アジア | 23 | 26,000,000 | 17,560,000 |
The Myth 神話 | 2005年 | アジア | 15 | 19,009,463 | 31,930,000 |
プロジェクトBB | 2006年 | アジア | 13 | 21,836,580 | 16,800,000 |
ラッシュアワー3 | 2007年 | ハリウッド | 69 | 258,094,779 | 140,000,000 |
ドラゴンキングダム | 2008年 | ハリウッド | 56 | 128,823,735 | 70,000,000 |
新宿インシデント | 2009年 | アジア | 15 | 5,461,183 | 25,000,000 |
ダブルミッション | 2010年 | ハリウッド | 45 | 52,726,820 | 30,000,000 |
大兵小将 | 2010年 | アジア | 13 | 29,154,740 | 25,000,000 |
(参考)ベストキッド | 2010年 | ハリウッド | 73 | 268,496,858 | 40,000,000 |
上の図はクリックすると拡大表示されます。
青バーがハリウッド作品興行成績、赤バーがアジア作品興行成績、灰バーが製作費です。
『メダリオン』はあの内容じゃ仕方ないと思うけど、『香港国際警察/NEW POLICE STORY』は個人的にこの中では断トツに好きな作品なので、もっと稼いで欲しかったな~、じゃないともう作らないよね(でももう無理か・・・)。『新宿インシデント』はパンフに製作費の記載があったけど本当にこんなにかかってんのかなぁ? 興行的には大惨敗、結局公開出来なかった中国市場を当てにしていたのでしょうか。いずれにしても、個人的にはもうあの系統は作って欲しくないので良いんですがね。『ドラゴンキングダム』はもっと頑張って欲しかった、まだJJプロジェクトは死んでいないと思うけど実際はもう無理っぽいと個人的には踏んでいます。(もういっそのこと、クリスをクビにしてジェット相棒の『ラッシュ4』を!)
とにかく、興行的にはいくら中国作品が中国でヒットしてもアメリカで稼げなければ製作費の回収すら厳しい状況です。
ハリウッド作品で我慢して稼いで、香港・中国作品で好きなことをやるという図式は今でも変わって無いようですね。
次回はハリウッド作品の各国での興行成績を見ていきます。
カンフーパンダの全米のDVD収益が1億3000万ドルでありました。映画の興行だけで世界で6億ドル以上あるのにこれを加えたら7億ドル~8億ドルの売上になります。物凄いですね。
ダブルミッションは約900万ドルのDVD売上でした。(全米)
それでも凄い市場なんですよね。全米は。
「NEW POLICE~」は世界で2600万ドル以上の興業収入とGoogleで検索したらありました。
「new police story 2600万」で検索するとでてきます。
ただこれもどうやって計算したかはわかりませんが…
hi2さんはじめまして。
検索したら出てきました。情報ありがとうございます。
好きな作品でもあるし、2600万ドルに違いありません!
(すいません、こんな軽いノリで)
グラフ系をすべて修正するのはちょっと厳しそうですが、
表は時間があるときに修正しておきますっ。
映画の製作費と興行の関係で言えば例えば「80デイズ」は全米では製作費1億1000万ドルに対して興行が2400万ドル。他の国で4800万ドル。世界で7200万ドルが正式な数字でまた、これにDVDやビデオのレンタル・売上の収益も加わり、全米でのDVDやビデオの収益が5000万ドルとなっていて、他の国への分もいれるとかなりになります。つまり映画がこけても製作費位の元は十分にとれています。ジャッキーの映画はvcd・DVD・blu-rayやビデオの収益が実はかなりあります。
chanさんはじめまして。
貴重な情報ありがとうございます。
興収の情報って意外と多いようで少ないんですよね。
こんな記事を書きながらも良く分かってない管理人です。
製作費なんてもっとアバウトだし。
ラッシュアワーもレンタルで5000万ドルぐらいのようですけど、
80デイズも同じぐらいだったんですね。
劇場じゃなくてレンタルでいいやってことなんでしょうかね。
わからないことだらけなんで、もしまた情報あればお願いします!
おぉ~超スゴいですッ!メッチャ分かりやすい^^
僕も『香港国際警察/NEW POLICE STORY』が好きなのでこの結果見てびっくりしました。
個人的には『ラッシュアワー3』よりも好きな作品なので、この興行収入の差にはホント驚きです。
やっぱりハリウッドは規模が違いますね^^;
中国は面積広いし人口も多いけど、あんま映画観るっていう習慣が浸透してないんですかね(笑
調査と更新本当にお疲れ様でした☆
ニャンピョウさんこんばんわ。
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』好きな方が居て、嬉しいです。
この作品ってホント賛否両論なんですよね。
私なんか「ジャッキーが帰ってきた~~っ!」て感じで当時凄く興奮した覚えがあります。
『ラッシュ3』は個人的に真田広之とノエミ効果でちょっとポイントUPしたものの、
異常にいかつくなっていたクリスで思いっきりマイナスになった作品なのでとっても同感です。
中国は市場自体も急成長してますが、観る側の国民も成長してるんでしょうね。
ただ国家がいろいろと規制や管理をしているうちは、アメリカには到底及ばないでしょうね。
うわ~、なるほどグラフになるとよく分かりますね~!すばらしいです!
ジャッキーがハリウッド制の映画は金儲けのためと公言している理由が
理解できました。
「NEW POLICE~」はドイツなどでもプロモーションしていたのでもっと
ヒットしてるのではと私も思っていました。
作品の完成度とヒットが必ずしも結び付かない現実があるのですね・・。
ビッグムーンさんこんばんわ。
ハリウッドってホント凄いですよね。
でも、ヒットした時は大きいけど、製作費もバカでかいのでリスクも高そうですね。
今回の儲けを是非、個人的に1番期待している『十二生肖』にガッツリまわして欲しいです。
(そういう問題じゃないか・・・)
あと、ドイツはちょっと謎の国でして・・・ドイツについては第6回ぐらいで詳しく見ていく予定です。
”作品の完成度とヒットが必ずしも結びつかない現実”
ほんとそうですよね。
でも、きっとそれを1番感じているのは当のジャッキーなんでしょうけどね。