羅維／ロー・ウェイ【スター名鑑】

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プロフィール

【名前】: 羅維／罗维; ロー・ウェイ; Lo Wei
【出身】: 中国・山東省
【生年月日】: 1918年
【没年月日】: 1996年1月20日
【年齢】: 77歳没
【主な職業】: 監督、俳優、プロデューサー
【著名な親族】: 前妻：劉亮華/ラウ・リャンホウ（女優・プロデューサー）; 後妻：許麗華/スー・リーホワ（プロデューサー）; 息子：羅大衛（マネージャー）
*劉亮華との子

60～70年代の香港を代表する映画監督・プロデューサー。ブルース・リーやジャッキー・チェンの初期作品の監督としても有名。

60年代後半にはショウ・ブラザースでチェン・ペイペイ出演作品を監督し市場を席巻、ゴールデン・ハーベスト設立後はブルース・リー主演の2作品を大ヒットさせるも、その後ジャッキー・チェンの売り出しに失敗。晩年はスター不在に加え、旧態依然とした作風から脱却できずヒット作に恵まれることはなかった。

私生活では大のギャンブル狂で、撮影中でも構わず競馬中継に聞き入っていたエピソードなどが有名。また、黒社会との繋がりも噂されていたほか、契約に関わる訴訟なども多くトラブルが絶えなかった。

上記に加え、レイモンド・チョウと喧嘩別れの末の独立や、共に取り逃がした大スター、ブルース・リー、ジャッキーチェン両者の発言、家族ぐるみでのジェット・リーに関するエピソードなど、何かと良くない話題が多い人物である。

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略歴

1918年: 中国・山東省で生まれる。
1930～1940年代: 中学を卒業後は抗日話劇などに出演しながら俳優としてのキャリアを積む。
1948年: 30歳の時、香港に移住。「永華影業公司」へ入社。
1950～1960年代: 『清宮秘史』や『愛的俘虜』など多数の映画に出演し人気俳優に。
1952年: 『王魁與桂英』で副監督を務める。
1953年: 数本の共同監督を経て、『蕩婦情痴』で単独監督デビューを果たす。
1957年: 自身のプロダクション「四維公司」を設立。
俳優業も続けながら精力的に監督としてのキャリアを積んでいく。
1961年: 監督として「キャセイ・オーガナイゼーション（國泰機構）」に入社。
1965年: ランラン・ショウ（邵逸夫）に引き抜かれ、「ショウ・ブラザース」に入社。; 人気女優・鄭佩佩（チェン・ペイペイ）を起用し、『龍門金劍』、『毒龍潭』、『虎膽』、『五虎屠龍』といった年間ベスト10に入るヒット作を量産する。
1970年: レイモンド・チョウ(鄒文懐)、レナード・ホー(何冠昌)らと共にショウ・ブラザースを離脱。あらたに「ゴールデン・ハーベスト社」を立ち上げる。
1971年: 妻の劉亮華（ラウ・リャンホウ）が、ショウ・ブラザースが獲得に失敗した李小龍（ブルース・リー）の獲得に成功。2本の主演映画契約を取り付ける。; ブルース・リーによるその2本、『唐山大兄（ドラゴン危機一発）』、『精武門（ドラゴン怒りの鉄拳）』、は共に記録的な大ヒットを飛ばし、一躍ブルース・リーを大スターへと押し上げ、新興のゴールデン・ハーベストが台頭するキッカケとなった。
1972年: しかし、当初から問題のあったローとブルース・リーの関係が修復不能なまでに悪化。3作目として予定されていた『冷面虎（冷面虎復讐のドラゴン）』は、王羽（ジミー・ウォング）を代役に起用し撮影することになった。
1973年: ブルース・リーが急死。カンフー映画が急速に勢いを無くしていく。
1975年: 今度はレイモンド・チョウと対立し、独立して自らのプロダクション「羅維影業公司」を設立するが、看板スター不在もあって興行的に苦戦が続く。
1976～1977年: 羅維影業の総支配人・ウィリー・チェン（陳自強）が、ジャッキー・チェン（当時は陳元龍）を発掘。長期契約を結ぶ。; ジャッキー・チェンを第二のブルース・リーとして売り出すため『ドラゴン怒りの鉄拳』の続編、『新精武門（レッド・ドラゴン新・怒りの鉄拳）』を製作するも興行的に失敗。; その後も、ジャッキーチェン出演による『風雨雙流星（ファイナル・ドラゴン）』、『劍花煙雨江南（成龍拳）』や、 3D映画に初挑戦した『飛渡捲雲山（ジャッキー・チェンの飛龍神拳）』などを送り出すも、第二のブルース・リーに拘り、ジャッキーチェンの資質を生かせなかったこれらの作品の興行成績は無残な結果に終わる。
1978年: マンネリ化した古いタイプの映画作りから脱却できなかった「羅維影業」の資金繰りは急速に悪化。; 新興の独立プロ・シーゾナル・フィルム(思遠影業公司)からジャッキー・チェンのレンタルを持ち掛けられる。この頃にはジャッキーに対する興味もすっかり失せていたローはこれを快諾。しかし、皮肉なことにそこで製作された『蛇形刁手（スネーキー・モンキー蛇拳）』が大ヒットを記録する。; 一転、商機を見出したローは、まだもう1本残っていたレンタル契約を妨害しつつ、『拳精』、『龍拳』を立て続けに撮影。しかし、ここでもジャッキー・チェンの魅力を引き出せなかったローはまたしても興行的に失敗。結果的にこの『龍拳』がメガホンを取った最後の作品となった。; 一方、レンタル契約のもう1本、『醉拳（ドランク・モンキー酔拳）』は、記録的な大ヒットを収め、ジャッキーチェンは一躍大スターとなった。
1979年: この頃には、ブルース・リーに引き続きジャッキー・チェンとの関係は危機的な状況に。一転して機嫌を伺うも関係の修復には至らず、白紙の契約書でドル箱スターの確保しようとした謀略が決定打となり、二人の関係は泥沼化する。（詳しくはコチラ）
1980年: そして、「ジャッキー・チェン失踪事件」が発生。黒社会やジミー・ウォング、ゴールデン・ハーベストを巻き込んでの大騒動へと発展する。（詳しくはコチラ）
1981年: 契約問題が終結。ジャッキー・チェンの確保には至らなかったものの、権利や金銭面で大きなものを得る。
1980年代: 監督はせず製作に専念するも、ヒット作に恵まれず新たなスターを育てることも叶わなかった。
1988年: 映画界から離れ、アメリカに滞在中だったジェット・リー（当時はリー・リンチェイ）の元を訪れ、当時設立したての「萬里電影」による『龍在天涯（ドラゴンファイト）』の出演を取り付ける。; その後、息子の羅大衛がジェット・リーに接近。泥沼の法廷劇へと発展する。（詳しくはコチラを）
1996年: その後も第一線に返り咲くことは叶わず、この年、心不全で死去。76歳の生涯に幕を閉じる。
2006年: 香港星光大道（アベニュー・オブ・スターズ）にプレートが敷設される。