- 【タイトル】「飛紅巾」
- 【製作会社】中原電影製片公司⇒銀都機構
- 【監督】張鑫炎(チャン・シン・イエン)
- 【主演】李連杰(リー・リンチェイ)
この作品も、NO.1『太極拳』と同様に、1981年の『少林寺』のあとに、引き続きジェット・リー主演、張鑫炎(チャン・シン・イエン)監督で製作されるはずだった作品です。
その後、『少林寺2(少林小子)』、『阿羅漢(南北少林)』の製作が優先され、この作品の製作は後回しに。
1986年1月にジェット・リーが『阿羅漢』のプロモーションで来日した時のインタビューでは、すでにこの作品の撮影準備がシルクロードで始まっており、ジェットがその作品に出演するかもしれないという話が出ていました。
しかし、巨費を投じた『阿羅漢』が思うような結果を残せなかったからなのか、その後すっかり話を聞かなくなってしまいました。
※右の画像はあくまで管理人の妄想によるイメージ画像です。(う~ん、合成って難しいっ、悪役みたい)
そもそも「飛紅巾」とは何ぞや?ということでさらっと調べてみましたが、「飛紅巾」はカザフ族長の娘で、楊雲驄と並んで「塞外奇侠」と称された。楚昭南が唯一愛した女性らしい。
特別武侠物に詳しくない私としては何のこっちゃわからなかったのですが、香港の武侠小説家である梁羽生が書いた「天山系列」といわれる作品群の中に登場する人物のようです。
「天山系列」の作品とは、『白髪魔女伝』、『塞外奇侠伝』、『七剣下天山』 ・・・と、他にもあるようですが、この、『七剣下天山』や『塞外奇侠伝』 に飛紅巾は登場するらしいのです。
『白髪魔女伝』といえば、1980年に張鑫炎(チャン・シン・イエン)が『少林寺』の前に監督を務めており、この作品がキッカケで『少林寺』の監督に抜擢されたとも言われています。
続く『塞外奇侠伝』が又の名を『飛紅巾』とも呼ばれる作品で、飛紅巾の活躍を描いた作品と言えるようですので、やはり張鑫炎は自らメガホンを取った『白髪魔女伝』に続いてこの作品を撮りたかったのだろうと思います。
そしてその後の話しである『七剣下天山』は、徐克がドニー・イェン出演で映画化(内容は改編)しており、さらにはテレビドラマも製作しているようです。
私は、映画版の『セブンソード』しか見ていないのですが、さきほどの楊雲驄とはこの作品で黎明(レオン・ライ)が演じていた役どころで、飛紅巾を愛したのが、甄子丹(ドニー・イェン)が演じた楚昭南という人物のようです。
原作では飛紅巾はこの七剣の一人のはずですが、改編によって別の人物に置き換えられたようです。
2006年のテレビ版では楚昭南を趙文卓(チウ・マンチェク)が演じ、飛紅巾を蔡少芬(エイダ・チョイ)が演じています。そしてこのテレビドラマ版の第一部が『塞外奇侠伝』をベースに作られているとか。
そしてよくそのテレビ版のスタッフやキャストを見てみると・・・、なんと監督に徐克(ツイ・ハーク)とともに張鑫炎の名前が!そして『少林寺』シリーズの藤井隆こと孫建魁 (ソン・ チャンカイ)が剣術指導兼出演、さらに于承恵(ユー・チェンフォイ)、計春華(ジー・シュンホア)といった『少林寺』メンバーが集結してるではありませんか。
ということで、この幻のジェットリー版『飛紅巾』は、張鑫炎(チャン・シン・イエン)が2006年のテレビ版七剣下天山(セブンソード)』に携わったことで昇華したという結論に達しました。
『セブンソード TVシリーズ』(七剣下天山)
1話45分の全39話で、映画版のあと2005年に製作され、2006年に放送されたようです。
- 【タイトル】 邦題:セブンソード TVシリーズ、原題:七剣下天山
- 【監 督】 徐克(ツイ・ハーク)、張鑫炎(チャン・シン・イエン)
- 【出 演】
趙文卓 (チウ・マンチェク)、于承恵(ユー・チェンフォイ)、計春華(ジー・シュンホア)
梁家仁 (レオン・カーヤン)、蔡少芬 (エイダ・チョイ) - 【公 開】 2006年
もしこの作品が、当時張鑫炎(チャン・シン・イエン)によって映画化されていたら、ジェットリーはもちろんドニー・イェン、そして趙文卓 (チウ・マンチェク)と同じく楚昭南を演じていたんでしょうね。(もしかしたら楊雲驄?)
それにしても、この3人はよく同じ人物を演じていますね。(それだけ同じ題材の映画が作られているってだけかもしれませんが・・・)
飛紅巾は、『少林寺』の流れで言えば、丁嵐(ディン・ナン)か黃秋燕(ホァン・チューイェン)のどちらかがなっていた可能性が高いですね。
時間があれば、武侠物について色々と勉強したいなと思っています。やっぱり元ネタが分かっていると楽しそうです。
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