【ジェット・リー 幻の作品集】NO.9『倚天屠龍記 續集（仮）』

ただ、監督の王晶（バリー・ウォン）、武術指導兼出演の洪金寶（サモハン・キンポー）は固いとして、続編では主役が降板ということも多い香港映画界ですが、今作はジェットが契約で縛られている永盛電影公司の作品なので、もし製作されたとしたら逃げることはできなかったでしょうね。
また、当然のごとく邱淑貞（チンミー・ヤウ）、張敏（チョン・マン）などいつものチーム・バリーが脇を固めるはずなので、結局キャストはほぼ同じで作られたことでしょう。

そもそも、続編を意識したエンディングにしなかったとしても、当たれば限界まで続編を作り続けるバリー・ウォンなのですが・・・
1作目の興行成績は、香港で約1,200万HKドルで36位、台湾でも37位と、可も無く不可も無くといったところ。

思うような結果が残せなかったということで、続編の製作は見送られ、バリー・ウォンは『洪熙官（新・少林寺伝説）』をジェット・リー主演で製作するわけですが、こちらは香港で約1,940万HKドルで15位と『カルト・マスター』よりは良かったものの、ヒットメーカーであるバリー・ウォンとしてはきっと不満の残る結果だったに違いありません、

少し前に、『カルト・マスター』と同様に、金庸の武侠小説を原作としてチャウ・シンチー（周星馳）主演で『ロイヤル・トランプ（鹿鼎記）』を撮っていたバリー・ウォンですが、こちらは4,100万HKドルで3位と大ヒット。無事、続編の『ロイヤル・トランプ２』も製作され、わずか2か月後に公開され、これも3,700万HKドルで5位と成功させています。

同様に、劉德華（アンディ・ラウ）の『カジノタイクーン 』は、1作目が1,860万HKドルで続編の『カジノタイクーン2 』が製作されています。『カルト・マスター』の1,200万では足りなかったということでしょうね。

さて、この『倚天屠龍記』は、著名な小説家・金庸の武侠小説ですが、日本でも小説が発売されていますし、かなり多くの映像化作品もあるので、続編の内容も想像しやすいと思います。

ただ、何と言っても天下のバリー・ウォンなので、どんな演出がされるかは想像できませんけどね。。。

実はこの『カルトマスター』はその40集で構成される原作『倚天屠龍記』の中間部分のお話で、前後合わせて3部作の構想だったなんて話もありますが、個人的な推測では、その前編にあたる部分は製作される予定は無かったのでは、と思っています。なんといっても、ジェット・リー演じる張無忌あっての『カルトマスター』だと思うので。

※下記は徳間文庫より発売されている書籍の内容になります。

一、呪われた宝刀

天下制覇の証となる伝説の至宝、倚天剣と屠龍刀。しかしそれらは、手にしたものを不幸にせずにはおかない呪われた刀剣だった。幼くして、果てしない魔刀の争奪戦に巻き込まれ、過酷な責め苦を負う少年・張無忌の数奇な運命。

二、黒い刻印

武当派の英雄・張翠山と邪教・天鷹教教主の娘・殷素素。宝刀を追っていた二人は、正邪の別を超えて愛し合い、息子・張無忌を儲けて、北海の孤島から江湖の世界へ帰還する。しかし、親子を待っていたのは、屠龍刀の行方を聞き出そうとする武林の諸派と、殷素素の過去の殺人を追及する復讐者たちだった。幼い張無忌に、過酷な試練が次々と襲う。

三、盟主の条件

意外な所から「九陽真経」を手に入れた張無忌は、教典に従い修練を積み、たくましい青年へと成長、運命の糸に導かれるようにして、明教の総本山・光明頂にたどり着く。折りしも光明頂では、六大正派同盟軍対明教の、死命を賭した大決戦が行われようとしていた。父の属した正派につくか、母を育み祖父を擁する明教につくべきか、張無忌の心は揺れる。

四、魔女と魔剣と

苦難の末、ついに再会を果たす張無忌と金毛獅王・謝孫。やがて明教ペルシャ総教からの使者に追われる身となった義理の親子は、壮絶な大海の逃避行に乗り出す。同じ小舟に乗り合わせた四人の少女、周し若、趙敏、小昭、殷離。それぞれに張無忌と思いを通わせた彼女らが、各々の胸に抱えた秘密が、思わぬ運命の渦中へと彼を巻き込んでいく……。

五、選ばれし者

「その刀を得し者、武林の覇者になる」と謳われた運命の宝刀・屠龍刀の行方をめぐり、ついに武林の英雄が一堂に会した少林寺の英雄大会。熾烈な争奪戦の末、刀を勝ち取ったのは誰か、そして、張無忌の決断とは？正と邪の区分とは何かーーをテーマに、生まれながらに過酷な運命を背負った少年の成長を描いたスペクタクル・ロマン、堂々の完結！

『倚天屠龍記』映像化作品集　【映画編】

ジェット・リーの『カンフー・カルト・マスター魔教教主』でサモハン・キンポーが演じた張三豊は、ジェットがその前に出演した『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限』で、ジェットが演じた人物であったり、そういうつながりが分かって作品を見ると、また面白さが増しますね。

『倚天屠龍記（第一集、第二集）』1963年：映画

『倚天屠龍記（第三集、第四集大結局）』1965年：映画

『神劍震江湖』1967年：映画

『五毒天羅』1976年：映画

『倚天屠龍記（上集、下集）』1978年：映画

『魔殿屠龍（倚天屠龍記續傳、外傳）』1984年：映画

『カンフー・カルト・マスター 魔教教主』1993年：映画

『倚天屠龍記』映像化作品集　【テレビドラマ編】

もっとも新しい2009年のテレビ版は、日本語吹替でセル&レンタルされているので、興味のある方はそちらから観ると良いかもです。

『倚天屠龍記』1979年：テレビドラマ（25集）

『倚天屠龍記』1984年：テレビドラマ（17集）

• 【タイトル】　原題：倚天屠龍記
• 【製　　　作】　台湾電視公司（TTV）
• 【監　　　製】　葉超
• 【出　　　演】　
  劉徳凱(リウ・ドーカイ)、劉玉璞（ラウ・ユクポク）、喻可欣、田麗
  黃香蓮、陳星（チェン・シン）、古錚、張泰倫（チャン・タイラン）
• 【公　　　開】　1984年：台湾

『倚天屠龍記』1986年：テレビドラマ（40集）

『倚天屠龍記』1994年：テレビドラマ（64集）

『倚天屠龍記（倚天劍屠龍刀）』2000年：テレビドラマ（42集）

『倚天屠龍記』2002年：テレビドラマ（40集）

『倚天屠龍記』2009年：テレビドラマ（40集）

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