劉家良／ラウ・カーリョン【スター名鑑】

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プロフィール

【名前】: 劉家良／刘家良; ラウ・カーリョン; Lau Ka-Leung; Liu Chia-Liang
【出身】: 中国・広州
【生年月日】: 1934年7月28日
【没年月日】: 2013年6月25日
【年齢】: 78歳没
【主な職業】: 監督、武術指導、俳優

【著名な親族】: 父：劉湛/ラウ・ジャーン（武術家）; 後妻：翁靜晶/メアリー・ジーン・ライマー（タレント）; 前妻：何秀霞; 長女：劉萬儀; 次女：劉幸儀; 実弟：劉家栄/ラウ・カーウィン（監督・武術指導家・俳優）; 義弟：劉家輝/リュー・チャーフィー（俳優）; 甥：劉家勇/ラウ・カー・ユン（俳優・武術指導）

映画監督・武術指導家・俳優として、長年に渡って活躍した香港カンフー映画界の巨匠。

中国近代史上最大の英雄・黄飛鴻（ウォン・フェイホン）の孫弟子にあたる劉湛を父に持つ洪家拳の達人。俳優として200本にも及ぶ映画出演に加え、160本以上の作品でアクション指導を担当。60年代半ばから70年代半ばにかけては、巨匠張徹（チャン・チェ）監督作品でその力量を発揮し、数々の名作功夫映画を生み出した。

70年代半ば以降は、自らメガホンを取るようになり、義弟・劉家輝（リュー・チャーフィー）、実弟・劉家栄（ラウ・カーウィン）らとともに「劉家班」として、『少林寺三十六房』をはじめとした功夫映画史上に残る傑作を残し、当時ゴールデン・ハーベストに劣勢を強いられていたショウ・ブラザースに大きく貢献する。

90年代半ばに癌を患ってからは長い闘病生活に入っていたが、2000年代半ばに一時的に復活。金馬奨で最優秀アクション設計賞を受賞するなど健在ぶりをアピールした。しかしながら2013年6月、病状が悪化し多くの人に惜しまれながらこの世を去った。

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略歴

1934年: 近代中国武術の偉人･黄飛鴻（ウォン・フェイフォン）の孫弟子にあたる劉湛（ラウ・ジャーン）の息子として中国で生まれる。
1943年: 9歳から父に洪家拳の武術を学ぶ。
1944年: 弟の.劉家榮（ラウ・カーウィン）が生まれる。
1948年: 父と共に香港へ移住。
1950年代: 父親に従い、エキストラの俳優やアクション映画のスタントマンなどとして1950年から映画界に足を踏み入れる。特に元祖「黄飛鴻」俳優クアン･タクヒン版「黄飛鴻」シリーズに父と共に武師や端役で参加することが多かった。
1963年: 盟友である唐佳（タン・ツァ）と共に『南龍北鳳』の武術指導を担当。この頃より本格的に武術指導家としてのキャリアをスタートさせる。; この時期スタントマン養成を兼ねた武師会を設立する。
1965年: 長城電影『雲海玉弓緣』での武術指導が評価され、唐佳とともにショウ・ブラザースで徐增宏監督『江湖奇俠』や、『琴劍恩仇』、 張徹（チャン・チェ）監督『邊城三俠』等の作品に参加。
1966～1975年: ショウ・ブラザース入社。; 『獨臂刀（片腕必殺剣）』シリーズや、『金燕子（大女侠）』、『拳擊（フィスト・バトル／拳撃）』、『馬永貞（上海ドラゴン英雄拳）』など、主に張徹監督作品で武術指導兼俳優として活躍。他の作品も合わせると10年間で実に100本以上の武術指導をこなした。
1975年: 自らの監督作品を撮りたがっていたカーリョンは、張徹監督にその約束を反故にされた上、ギャラ問題でも揉め喧嘩別れ。数々の名作を生み出してきた張徹監督と決別することに。; そこでカーリョンはショウ・ブラザースと再契約し、『神打（マジッククンフー神打拳）』で念願の監督デビューを果たし、香港映画史上初の「コメディ・クンフー映画」として、興行的にも大成功を収めた。
1976～1985年: 俳優・武術指導家としても活躍する傍ら、義弟である劉家輝（リュー・チャーフィー）を主役に据え、『洪熙官（少林虎鶴拳）』、『中華丈夫（少林寺VS忍者）』、『武館（ワンス・アポン・ア・タイム　英雄少林拳　武館激闘）』などの功夫片を次々と監督しヒットさせる。; 特に『少林三十六房（少林寺三十六房）』は商業的な成功に加え、のちにクエンティン・タランティーノが絶賛するなど、今もなお功夫映画史に残る名作として高い評価を受ける。; また、実弟の劉家栄（ラウ・カーウィン）を含め劉三兄弟を中心にした「劉家班」が、当時隆盛を誇っていたゴールデン・ハーベストに対抗すべく、ショウ・ブラザース復興に向け尽力した。
1985年: 李連杰（ジェット・リー）主演の『南北少林（阿羅漢）』を最後に、ショウ・ブラザースを退社。（公開は86年）
1980年代後半～1990年代前半: ショウ・ブラザース退社後は、携わる作品が大きく減少。
しかし監督としてシネマシティ（新藝城）での、周潤發（チョウ・ユンファ）主演『老虎出更（タイガー・オン・ザ・ビート）』、許冠傑（サミュエル・ホイ）らの『新最佳拍檔（悪漢探偵V 最後のミッション）』が大きなヒットを記録する。
1994年: 『醉拳II（酔拳2）』で、監督兼武術指導兼俳優として、初めて成龍（ジャッキー・チェン）作品に参加したが、意見の相違から途中で降板してしまう。しかしながら本作品では香港金像奨、台湾金馬奨ともに最優秀アクション設計賞を受賞している。; またこの年、悪性リンパ腫を患い芸能活動を休止。長い闘病生活を余儀なくされる。
2003年: 『醉馬騮（超酔拳）』で、スクリーンに復活。およそ10年ぶりに監督兼武術指導兼出演を果たす。
2005年: 徐克（ツイ・ハーク）監督の『七劍（セブンソード）』に武術指導兼俳優として参加。この作品で台湾金馬奨の最優秀アクション設計賞を受賞。結果的に本作品が遺作となった。
2010年: 香港電影金像奨で終身成就獎（特別功労賞）を受賞。
2011年: 病状が悪化し骨髄の造血機能不全に陥る。
2013年: 重い肺炎を併発。およそ1週間後、家族や親しい友人に看取られながら死去。享年78歳。