日本が誇る和製ドラゴン倉田保昭氏の、生誕から現在に至る60余年の軌跡。
日本を拠点にオリジナルビデオ業界に活路を見出し、「静かなるドン」、「となりの凡人組」など人気シリーズをはじめとする、多くのオリジナルビデオ作品に極道役で出演することが多かった2000年までの10年の軌跡です。
オリジナルビデオ量産
1991年 45歳:オリジナルビデオ業界への参戦
89年からはじまった東映ビデオの通称Vシネに代表されるような、劇場公開を前提としないレンタルビデオ専用の映画(オリジナルビデオ)業界に参入。
2年ぶりの映像作品参加となる第1弾は、新田たつお原作の人気コミックを映像化した香川照之主演のオリジナルビデオ『静かなるドン 1』。
倉田氏が出演する『静かなるドン』シリーズは、映画版も含め最終的に13作が作られる人気シリーズとなり、それ以外でもOVAやテレビドラマ、キャストを一新しての新オリジナルビデオ版など、様々なメディアで展開された。
さらに、バンドを解散し俳優に転向した当時35歳の石橋凌主演のオリジナルビデオ『死神の使者 DEATH MESSENGER』にも出演。
劇場公開映画としては、 社会派女流監督・許鞍華(アン・ホイ)による『極道追踪 暴龍 in 歌舞伎町(極道追蹤)』に出演。劉德華(アンディ・ラウ)、鍾楚紅(チェリー・チェン)ほか、石田純一など日本人のキャストやスタッフも多く参加した。
1991年-香港-映画
極道追踪 暴龍 in 歌舞伎町(極道追蹤)
監督:許鞍華(アン・ホイ)
共演:劉德華(アンディ・ラウ)、鍾楚紅(チェリー・チェン)、石田純一1991年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 1
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、1991年-日本-オリジナルビデオ
死神の使者 DETH MESSENGER
監督:成田裕介
共演:石橋凌、岩崎良美、
再生時間 3:27
再生時間 9:50
1992年 46歳:静かなるドン
92年も続けてオリジナルビデオの『静かなるドン 2』、『静かなるドン 3』に出演。
さらに沖縄オールロケのオリジナルビデオ『暴力列島 ダーティーマネージャック』にも出演。
オリジナルビデオ参入後は、当時の流行もあって極道モノの作品が多かったが、日米合作の戦争アクション映画『ブルドッグ』で、ふだんは板前の傭兵というユニークな役柄を演じた。
1992年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 2
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、1992年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 3
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、1992年-日本-オリジナルビデオ
暴力列島 ダーティーマネージャック
監督:中田新一
共演:名高達郎、増田恵子、又野誠治1992年-日本・アメリカ-映画
ブルドッグ
監督:ケン・ワタナベ
共演:ロマノ・クリストフ、マイケル・ウェルボーン
再生時間 9:48
再生時間 9:48
1993年 47歳:となりの凡人組
93年も昨年同様、オリジナルビデオでは『静かなるドン 4』、『静かなるドン 5』に出演。
また、倉田氏が主演を務める新たなオリジナルビデオシリーズ『となりの凡人組 1』もシリーズ化。この年、その第1弾がリリースされた。
映画では、バブルガム・ブラザーズの初主演作で、秋元康の企画による堤幸彦監督作品『中指姫 俺たちゃどうなる?』に出演。
1993年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 4
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、1993年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 5
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、1993年-日本-オリジナルビデオ
となりの凡人組 1
監督:伊藤裕彰
共演:中山忍、菊池健一郎1993年-日本-映画
中指姫 俺たちゃどうなる?
監督:堤幸彦
共演:ブラザー・コーン、ブラザー・トム、田中律子
再生時間 9:48
再生時間 9:49
李連杰(ジェット・リー)
1994年 48歳:ジェット・リーとの対面
94年はさらに出演ペースが増加。
まずは、ショー・コスギ監督、その息子のケイン・コスギ主演によるオリジナルビデオ作品『ザ・格闘王』に出演。
続けて、主演のオリジナルビデオシリーズ『となりの凡人組 2』、『となりの凡人組 3』、さらに『静かなるドン 6』にも出演した。
また、この年の夏、李連杰(ジェット・リー)の正東製作から、出演依頼が。
ブルース・リー『精武門(邦題:ドラゴン怒りの鉄拳)』のリメイク版への出演オファーだった。
作中の日本人の描かれ方に抵抗があったこともあり、しばらく回答を保留していたが、再三出演依頼が入電。
最終的には、監督である陳嘉上(ゴードン・チャン)が、自分のために新たな役を創出してくれるということで納得。
日本の女優・中山忍とともに出演することとなった。
本格的なアクションは実に6年ぶりと言うこともあり、それから撮影開始までの約2か月間、来るジェット・リーとの共演のためトレーニングを重ねた。
9月、ジェット・リーとの共演作『フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳(精武英雄)』の撮影が香港で開始される。アクション監督は袁和平(ユエン・ウーピン)をはじめとした袁家班だ。
そこで、以前クラタアクションクラブに4年ほど在籍し、その後香港へ単身渡って武師として活動していた谷垣健治氏と久しぶりの対面を果たす。
ジェット・リーとは初対面で、対決するアクションシーンも1つだけだったが、そこはやはりアクションには厳しい香港映画。その1シーンの撮影に10日間を要し、ワイヤーを使用するシーンで、足の筋を痛めてしまうアクシデントに見舞われるも、無事撮影を終える。
1994年-日本-オリジナルビデオ
ザ・格闘王
監督:ショー・コスギ
共演:ケイン・コスギ、西野妙子、リサ1994年-日本-オリジナルビデオ
となりの凡人組 2
監督:伊藤裕彰
共演:中山忍、菊池健一郎1994年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 6
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、1994年-日本-オリジナルビデオ
となりの凡人組 3
監督:伊藤裕彰
共演:伊藤裕彰、古内一成、新田たつお1994年-香港-映画
フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳(精武英雄)
監督:陳嘉上(ゴードン・チャン)
共演:李連杰(ジェット・リー)、錢小豪(チン・シウホウ)、中山忍『ザ・格闘王』KANE and SHANE KOSUGI映像集
再生時間 15:00
再生時間 9:49『フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳(精武英雄)』トレーラー
再生時間 2:48
1995年 49歳:出演ペース鈍化
ここ数年、年に4、5本ペースで作品に出演してきたが、この年はペースを緩め、オリジナルビデオ『闇ゴルファー2 黄金のパター』と日本映画『1・2の三四郎』、2本の出演に留まった。
1995年-日本-オリジナルビデオ
闇ゴルファー2 黄金のパター
監督:中島紘一
共演:根津甚八、椎名桔平、深水三章1995年-日本-映画
1・2の三四郎
監督:市川徹
共演:佐竹雅昭、田村英里子、六平直政
1996年 50歳:出演ペース再加速
96年に入ると再び出演ペースが加速。
オリジナルビデオ『静かなるドン 7』、『静かなるドン 8』、『静かなるドン 9』、『静かなるドン 10』と立て続けにリリースされ、久々のテレビドラマ出演となる全6話のテレビシリーズ『金魚のフン』に、主人公の父親役でレギュラー出演した。
しかし、これ以降は2000年まで、98年の映画1本とテレビシリーズ1本のみと、映像作品への出演が極端に少なくなる。
1996年-日本-TVシリーズ
金魚のフン
監督:片岡K
共演:坂上香織、木村剛、長谷川初範1996年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 7
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、石井愃一1996年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 8
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、長谷川初範1996年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 9
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、笹野高史1996年-日本-オリジナルビデオ
静かなるドン 10
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、
再生時間 9:48
再生時間 9:49
再生時間 9:48
再生時間 9:48
充電期間
1997年 51歳:回顧録出版
テレビ番組の取材で香港へ飛び、当時の行きつけのレストランやゴールデン・ハーベストのスタジオを訪問。また、『ノック・オフ』撮影中の徐克(ツイ・ハーク)や洪金寶(サモハン・キンポー)を訪ねた。
香港アカデミー賞(第16回香港電影金像奨)授賞式に、最優秀アクション監督賞(受賞:唐季禮-スタンリー・トン:『ファイナル・プロジェクト』)のプレゼンターとして招待される。
7月1日の香港返還にあわせて、国際通信社より自らの半生を綴った『和製ドラゴン放浪記』を出版。
4週連続で、ベストセラーにランキング入りする。
Kurata Yasuaki Goes to Hong Kong in 1997①
再生時間 4:11Kurata Yasuaki Goes to Hong Kong in 1997②
再生時間 3:15自伝本
『和製ドラゴン放浪記』
「日本の若者とは違ったはみ出し方をしてやろう-」と、香港映画界に単身で乗り込んだ、一人の若者がいた。自称『硬派な俳優』が原因で巻き起こる、破天荒な事件の数々を描いた、アジア放浪記。
1998~1999年 52~53歳:15年ぶりの中華ドラマ
1998年は久しぶりに映画とテレビシリーズに出演。
まず、日本映画の『ズッコケ三人組 怪盗X物語』へ出演。
そして、シンガポールの地上波テレビ局であるテレビジョン・コーポレーション・オブ・シンガポール(TCS)と中國星投資(スター・インベストメント)製作による、全40話の連続テレビシリーズ『中華大丈夫』にレギュラー出演。
ショウ・ブラザースの1978年作品『少林寺VS忍者(原題:中華丈夫)』のリメイクで、そのオリジナル版にも出演した倉田氏と劉家輝(リュー・チャーフィー)が、再びそのリメイク作品で顔を合わせることになった。
また、この作品で趙文卓(チウ・マンチェク)と共演。李賽鳳(ムーン・リー)最後の出演ドラマでもあった。
また、前年出版した「和製ドラゴン放浪記」が劇画化、ヤングチャンピオンに「王道ドラゴン」のタイトルで連載される。
翌1999年は、表立った出演は、木村拓哉と共演したJRA「天皇賞」のテレビCMのみとなった。
1998年-日本-映画
ズッコケ三人組 怪盗X物語
監督:鹿島勤
共演:森翔吾、金井勇太、島田正直1998年-中国-TVシリーズ
中華大丈夫
監督:徐小明(ツイ・シウミン)
共演:趙文卓(チウ・マンチェク)、劉家輝(リュー・チャーフィー)、袁潔瑩(ファニー・ユン)1998年-中国-映画
天煞孤星
監督:徐小明(ツイ・シウミン)
共演:趙文卓(チウ・マンチェク)、劉家輝(リュー・チャーフィー)、袁潔瑩(ファニー・ユン)
再生時間 約45分
2000年 54歳:出演再開
再び、映画、オリジナルビデオへの出演を再開。
まず、人気オリジナルビデオシリーズ『静かなるドン』の劇場版である『静かなるドン THE MOVIE』へ出演。
続いて、オリジナルビデオのエロティック・アクション『銀座ミッドナイトストーリー ゆーとぴあ 白い蕾』、『銀座ミッドナイトストーリー ゆーとぴあ 赤い蝶』に出演。
そして程小東(チン・シウトン)監督、古天樂(ルイス・クー)主演のアクション・コメディー『ゴッド・ギャンブラー 東京極道賭博 (中華賭俠)』に出演し、約5年ぶりに海外映画へ出演した。
2000年-香港-映画
ゴッド・ギャンブラー 東京極道賭博 (中華賭俠)
監督:程小東(チン・シウトン)
共演:古天樂(ルイス・クー)、張家輝(ニック・チョン)、朱茵(アテナ・チュー)2000年-日本-映画
静かなるドン THE MOVIE
監督:鹿島勤
共演:香川照之、喜多嶋舞、石井愃一2000年-日本-オリジナルビデオ
銀座ミッドナイトストーリー ゆーとぴあ 白い蕾
監督:辻裕之
共演:桜庭あつこ、児島美ゆき、中野若葉2000年-日本-オリジナルビデオ
銀座ミッドナイトストーリー ゆーとぴあ 赤い蝶
監督:辻裕之
共演:桜庭あつこ、児島美ゆき、中野若葉
『ゴッド・ギャンブラー 東京極道賭博 (中華賭俠)』MATV予告編
再生時間 1:41
再生時間 9:49
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