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ジャッキー映画製作年の謎【後編-2章】成龍の誕生

『【第2章】成龍の誕生』の画像

今回は、ふたたび香港へ戻ってきたジャッキーが羅維のもとで「成龍」として再デビューを飾る1976年のジャッキーの動きを追ってみたいと思います。

自伝の記述を確認

自伝の今回の範囲を要約すると次のようになります。

オーストラリアで建築現場とレストランの厨房で働くジャッキーのもとに1本の電報が届く。

元キャセイの重役で現在は羅維(ロー・ウェイ)の新しい会社の総支配人であるウィリー・チェンからのものだった。

連絡を取ったジャッキーは、『ドラゴン怒りの鉄拳』の続編に誘われ、月3000HKドルという安い報酬ではあったが、香港映画界に未練のあったジャッキーはこれを引き受ける。

2週間後には撮影が始まると言われ、両親には2年で成功しなければ永久にオーストラリアへ戻ることを条件に香港へと戻ったジャッキー。
そして創立してから3週間にも満たない羅維プロへ向かい、羅維と奥さんの許麗華(スー・リーホワ)に出会う。

翌日から「スター見習い」がスタート。初めて俳優としての契約書に署名。
その契約内容は、8年間の独占契約、毎月400USドルの報酬と映画1本完成につきさらに400USドル、結婚も羅維の承諾が必要と決して好条件では無かったものの、当時としてはごく一般的な契約内容だった。

羅維はウィリーに歯の矯正、目を大きくする手術を指示、さらに新たな芸名として「成龍」と名付ける。

羅維のもとでの第1作目『レッド・ドラゴン』の撮影が始まったが、急遽スタント・コーディネーターが事故に遭い、ジャッキーが担当することに。武術指導のキャリアは高かったジャッキーは9000HKドル(俳優としてのギャラの3倍)の報酬を手にすることに。

新しいブルース・リーとして作られていく自分のイメージに違和感と不満を覚えるジャッキー。現場でも羅維の癇癪のせいで撮影は難航していたが、なんとか映画は完成。

しかし、1976年7月に公開された『レッドドラゴン』は興行的に羅維を満足させることはできず、激怒させてしまう。

『レッドドラゴン』の興行成績に嫌気がさした羅維は次回作『少林寺木人拳』の監督を若い陳誌華(チェン・シーホワ)に任せる。

羅維がいない間に、ジャッキーと陳誌華はいろんなアイデアを実験しながら映画作りを学んでいた。そして、映画作りとはこうあるべきだと思って作った最初の作品となったが、1976年11月に公開されたこの作品も興行成績は芳しくない結果に終わってしまった。

この頃までには、羅維がジャッキーに対する信頼を失い始めていたが、他のプロデューサーや俳優は「本当に動くことが出来るジャッキーチェン」に注目し始めていた。

レッド・ドラゴン 新・怒りの鉄拳/新精武門

手掛かりとなる当時の新聞記事

『レッド・ドラゴン 新・怒りの鉄拳/新精武門(1976)』の画像

さて、羅維のもとでの1作目『レッド・ドラゴン』ですが、確認できたもっとも古い記事は、1976年3月1日の記事で、ノラ・ミャオやジャッキー(陳元龍)ら十数名が台湾へ『新精武門』の撮影に向かうという記事がありました。

この時点ではジャッキーは「成龍」ではなく、まだ「陳元龍」になってますね。このあとの4月の記事ではジャッキーについては全く触れられていません。実際に「成龍」と命名されたのは、それ以降(5月か6月)のようです。

上の記事でも『レッド・ドラゴン』の製作期間は1ヶ月ぐらいを予定していたようですが、実際に4月には試写が行われているようなのでほぼ予定通り撮影は終わったようです。

上の試写の記事では評価は悪くないみたいなことが書かれていると思うんですが、結果は余り芳しくなかったようです。(後述)

そういえば、この作品の武術指導のクレジットは韓英傑(ハン・インチェ)になってますが、自伝によるとスタントコーディネーターが事故でジャッキーが代わりにつとめたと書いてありました。実際はジャッキーが担当したが、作品の箔付けのために韓英傑の名前を利用したのかもしれませんね。

『レッド・ドラゴン』のロケ地

本作品に関してはあまり詳しくは見ていませんが、おそらく全編台湾での撮影だと思われます。

『レッド・ドラゴン』でのジャッキーチェンの顔と髪型

ジャッキーの顔はご存知一重瞼時代、この後の『少林寺木人拳』と比べてもちょっと濃いめの顔に見えます。薄らと髭が見えるせいでしょうか。髪型は若干長めの短髪でウェーブがかっています。

『レッド・ドラゴン ジャッキーの顔01』の画像 『レッド・ドラゴン ジャッキーの顔02』の画像 『レッド・ドラゴン ジャッキーの顔03』の画像

『レッド・ドラゴン』の公開情報

1976年7月8日に香港で公開されています。

『『レッド・ドラゴン』公開時の新聞広告』の画像

羅維が激怒したとされる興行成績は、46万HKドルで1976年の総合100位という結果でした。

『『レッド・ドラゴン』公開情報』の画像

『レッド・ドラゴン』まとめ

『レッド・ドラゴン』に関する情報をまとめると以下のようになります。

『レッド・ドラゴン』情報まとめ
原題新精武門
邦題レッド・ドラゴン 新・怒りの鉄拳
監督羅維
武術指導韓英傑(/成龍)
新聞記事
  • 1976年03月01日:ノラ・ミャオやジャッキーら数十名が台湾入り、撮影開始。
  • 1976年04月中頃:試写
ロケ地台湾
成龍の顔・髪顔:一重瞼、少し髭が濃い
髪:ちょっと長めの短髪、軽くウェーブ
撮影時期
(推定)
1976年3月~4月
公開日1976年7月8日(香港)
興行成績HK$ 456,787(1976年香港総合ランキング100位)

ジャッキーはいつ羅維のもとに?

「自伝」では、ジャッキーが羅維のオフィスへ始めて行ったのが、まだ会社が設立3週間とあります。

羅維が独立した明確な時期はわかりませんが、独立前の最後の監督作品は、ホラー作品『心魔』のようで、1975年1月1日に香港で公開されています。

で、その直後の1月11日の新聞でなにやら羅維とゴールデンハーベストがもめているような記事が載っていました。詳しくその経緯はわかりませんが、レイモンド・チョウとの対立が原因のようで、独立当初はゴールデンハーベストのライバル会社であるショウブラザーズと組んでいたようなので、間違いなく円満退社ではなさそうです。

そして、その年の7月30日には羅維影業の創業作品『金粉神仙手』が公開となっていますので、設立は1975年の前半ということに。
しかも、その時点で『小山東到香港』と『小姨懷春』という作品もすでに完成していたようなのです。ですので、少なくとも春先ごろにはすでに設立されていた可能性が高いと思います。

しかし、前編でも触れたようにジャッキーは1975年の夏に『少林門』出演後、オーストラリアへ帰っているはず。
また、ジャッキーが香港へ戻ったのは、『レッド・ドラゴン(新精武門)』の撮影(1976年3月)2週間前とあります。

ですので、「羅維の会社が設立3週間」というのは単純なミスか、羅維影業は台湾を中心に活動していたようなので、香港でのオフィスがまだ3週間だったのかもしれません。

少林寺木人拳

手掛かりとなる当時の新聞記事

『少林寺木人拳』の画像

総監督としてロー・ウェイがクレジットされているものの、実際は陳誌華(チェン・シーホワ)が担当した作品。

実際にいつから撮影が始まったかは定かではありませんが、1976年6月末に撮影中の記事が見つかっています。

さきほどの『レッド・ドラゴン』の公開が7月8日ですので、それよりも前に本作品は撮影が始まっていたことになりますので、自伝での羅維が『レッド・ドラゴン』の興行成績に嫌気がさしたと言う記述はどうやら誤りのようです。

こちらも同時期の新聞記事で、『少林寺木人拳』撮影の記事と羅維が新しくドラゴンを作り出したというような内容の記事が載っています。

『1976年06月26日、工商日報』の画像
新聞記事:1976年06月26日『工商日報』
|『少林寺木人椿』台湾で撮影中 [クリックで拡大]

本作品の香港公開は11月10日で、本作品に関する記事も多数見つかっています。羅維もおそらくかなりの力を注いでジャッキーを売り込みたかったんでしょうね。しかし、興行成績は47万HKドルで94位と、『新精武門』とそう変わらない結果に終わってしまいます。

ちなみに、95年にサモハンらと撮影されたジョン・ウー監督の『少林門』が『レッド・ドラゴン』公開の直後、7月15日に香港公開されています。新聞記事も見つかっていますが、ジャッキーについては触れられていませんので、ジャッキーの動きは関係なかったようです。

下は、『レッド・ドラゴン』公開直後のジャッキーに関する記事です。

『1976年07月13日、工商日報』の画像
新聞記事:1976年07月13日『工商日報』
[クリックで拡大]

下は、ジャッキーチェンとノラミャオの写真で、ジャッキーはノラ・ミャオの弟的存在として姉弟のように取り上げられることが多かったようです。

『1976年08月24日、工商日報』の画像
ジャッキーとノラの2ショット

『少林寺木人拳』のロケ地

この作品もおそらく全編台湾ロケだと思われますが、この後の作品でもチラホラと見かけるシーンが多いので一部を紹介します。季節的には台湾の夏らしくジャッキーも暑そうです。

まず本作品での少林寺となっている寺院ですが、おそらく台湾の「行天宮」という寺院じゃないかと。台湾ではかなり人気の高い寺院らしいです。現在とは若干、柱の彫刻や屋根中央の装飾が異なりますが、今から30年以上も前なので多少の改装はあり得るのかなと。

『少林寺木人拳ロケ地検証01』の画像

洞窟に入る前のシーンや滝の上でジャッキーが修行しているシーンなどは有名な台湾の観光スポット「十分瀑布」。この滝はその後のジャッキー映画にもちょくちょく出てきますね。

『少林寺木人拳ロケ地検証02』の画像

『少林寺木人拳ロケ地検証03』の画像

青蓮堂という看板がかかっている白い建物の前で尼僧と蛇意八歩の修行するシーン。ここは『天中拳』でも使われてますが、場所名はわかりませんでした。

『少林寺木人拳ロケ地検証04』の画像

街中のシーンなどは「中國電影文化城」じゃないかと思います。

『少林寺木人拳ロケ地検証05』の画像

龍君兒が夜にさらわれるシーンは『ファイナル・ドラゴン』の最初の夜のシーンときっと同じ場所。2体の獅子像がある建物のところです。

『少林寺木人拳ロケ地検証06』の画像

金剛がもてなしてくれた一家を惨殺するシーンで使われている建物はおそらく『天中拳』でも使われているような気がします。

『少林寺木人拳ロケ地検証07』の画像

『少林寺木人拳』でのジャッキーチェンの顔と髪型

この作品でもジャッキーは一重瞼。全体的には『レッド・ドラゴン』にくらべ大分スッキリした印象です。髪はその頃よりも短め。下の画像よりもまだ短い感じの場面もあります。一番右の画像は最後の闘いのシーンですが、風の影響もあるのですが大分長くなっているように感じますし、この後の『成龍拳』や『蛇鶴八拳』のオカッパヘアーに通じるものを感じます。(このまま伸ばしてストレートにした感じ?)ところでジャッキーって実は天然パーマなんだろうか・・・。

『少林寺木人拳 ジャッキーの顔01』の画像 『少林寺木人拳 ジャッキーの顔02』の画像 『少林寺木人拳 ジャッキーの顔03』の画像

ちなみに、顔はこの頃もその後も、場面や表情によって大きく印象が変わります。ですので中々判別しにくいのですが、歯や傷などは有力な手掛かりとなることも多いです。この頃のジャッキーの歯は前歯2本が不揃いなのと、前歯の右側に少し隙間があるのが特徴です。

『少林寺木人拳』の公開情報

1976年11月10日に香港で公開されています。下画像は公開時の新聞広告ですが、上(11月6日)は良いとしても下(11月10日)の広告では「成龍」の文字は一切なく、龍君兒と金剛が主演として書かれています・・・

『『少林寺木人拳』公開時(1976年11月6日)の新聞広告』の画像

『『少林寺木人拳』公開時(1976年11月10日)の新聞広告』の画像

下は1982年08月14日に韓国で公開された時の新聞広告です。

『『少林寺木人拳』韓国公開時(1982年08月13日)の新聞広告』の画像 『『少林寺木人拳』韓国公開時(1982年08月14日)の新聞広告』の画像

興行結果は、48万HKドルで1976年の総合94位という結果でした。

『『少林寺木人拳』公開情報』の画像

『少林寺木人拳』まとめ

『少林寺木人拳』に関する情報をまとめると以下のようになります。

『少林寺木人拳』情報まとめ
原題少林木人巷
少林木人房(韓国)
邦題少林寺木人拳
初期タイトル少林寺木人椿
監督羅維
執行導演:陳誌華
武術指導成龍/金銘
新聞記事
  • 1976年06月26日:『少林木人巷』撮影中
ロケ地台湾(行天宮、十分瀑布など)
成龍の顔・髪顔:一重瞼、『レッド・ドラゴン』よりスッキリ顔
髪:短髪、後半ちょっと長め
撮影時期
(推定)
1976年6月~7月頃
公開日1976年11月10日(香港)
興行成績HK$ 476,950(1976年香港総合ランキング94位)

今回の対象作品まとめ

今回の2作品をまとめたのが下図になります。次回からは製作が同時進行のものなどが加わるためより複雑化していきます。

『1976年2月~11月のジャッキーの動き(1)』の画像

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カテゴリ: ジャッキーチェン研究室.

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20 件のコメント

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  1. 東方異人 says

    実は、原語で読んでも大して変わりません。想像力さえあれば。
    ガワの部分が違うだけで、人は人。
    個人的に好きなのは、村上知之氏訳「水滸伝」で、これは原語よりも味があります。
    井上洋介氏の挿絵を加えれば完璧。角川書店から出ていたのですが、絶版。
    第一巻の副題が、「天降る魔神の群れ」。表紙の挿絵が、青面獣対林冲。
    いかにも、読みたくなるでしょう???

  2. 西の国のおばさん says

    ジャッキーさんと初めて遇ったのは数十年前、「蛇拳」tvでです。続いて「酔拳」「笑拳」、大分、後になってから
    「木人拳」「拳精」やはりtvです。どれも惹かれるものはあったのですが、用事に忙殺され時々頭の隅で思い出してはいました。こちらのtvで、おや、これはジャッキーさんではと見たのはいわゆるハリウッド以降の作品で、
    「シャンハイヌーン」「アクシデントスパイ」「シティハンター」「ベストキッド」「ポリスト」など、
    上等な娯楽番組と思うのですが。「ニューポリスト」は部下が殺される場面が泣く程いやなのですが、
    2度、3度と見たくなる作品ではあります。
    私も拳シリーズの方がずっと好きです。で、何故こんなにジャッキーが好きかと考えますと、行き着く所は、
    彼の持ち味、スター性、で若い女の子達に騒がれていたのがようやく分かった昨今です。
    動画サイトのおかげです。ごめんね、ジャッキー、今度、日本でテアトルで見ますね!
    ジャッキー映画はイタリアよりもドイツで人気が高いようです。
    ただ、プロット、映画の構成の点から名作として私が挙げるのは「木人拳」だけです。
    「プロジェクトA2]「少林寺36房」探して見てみます。
    恥ずかしながら「三国志」、「三国志演義」も読んでいませんので、今度、帰国の際には必ず
    読みます。読みたい中国文学が沢山あります。原語で読めたらいいでしょうね。

  3. 東方異人 says

    お褒めいただいてありがとうございます。
    一応、筆で生計を立てているもので。口は達者なんです。
    と言っても、中国や香港台湾向けの日本語教材を書いてるだけです。
    もてなしてくれた家族を殺すのは、有名な曹操のくだりの模倣でしょうね。
    あれ自体、三国志(演義)の作者が悪意的に描写した可能性が大で、史実かどうかはわかりません。
    中国(と言うより香港台湾)映画は国際的にはバカにされていますが、いいものがあると思います。
    「拳精」とか「ドラゴン特攻隊」みたいなものを酷評するのは、ハリウッドと言う形式のひとつに過ぎないものを基準として見ているからだと思います。
    世界観の違うものを、ある強国の基準でのみ見るのは残念なことです。
    それは、デッサンの基準のみで中国の水墨画を見るようなもの。
    ジャッキーも、中国映画の世界観では国際的なヒットはしないと踏んで「プロジェクトA」のようなハリウッド路線に
    変更したのだと思います。
    自信作「ヤング・マスター」でさえアメリカで受けなかったことがショックだったようです。
    狙い通り、それまでジャッキー映画に見向きもしなかった人たちや、評論家までもがこぞって絶賛し始めました。
    しかし、中国テイストが好きだった人たちにはとても残念な作品。
    目新しさや独特の世界観はなく、標準的。華麗なアクロバット・アクションから、ガラスを突き破ったり階段を転げ落ちたり三階から飛び降りたりするただの「スタント」になってしまったのも残念でした。
    (好きな方、申し訳ありません。でも一般受けするには特殊性を捨てることも重要です。)
    ところが「プロジェクトA2」は、なぜか続編なのにハリウッド様式とはまったく違う、中国人の世界が描かれていてとても好きです。
    敵味方の分け方やけじめのつけ方、そこに中国人の世界観が色濃く出ています。

  4. 西の国のおばさん says

    東方異人様、ストーリーテラーのすばらしい才能がおありです。
    ジャッキーさんの龍拳、カッコ良くて好きなんですけどね、夫人が亡くなるのは本当に口惜しくて、
    それから百忍道場の師匠の息子も何故ああいう風に殺されてしまうのか、あの2つの出来事がなければ
    とてもとても好きな作品です。東方異人様のストーリーの展開はとても素敵です。
    蛇鶴八拳も白虎派の一人娘が殺されてしまう場面はいやです。
    あと、木人拳では、法愚がもてなしてくれた家の住人3人とも殺めてしまう、
    あそこはいつもスキップします。あのシーンで法愚の悪人ぶりを強調したいのだとは思いますが。
    でもあの時、一龍が食堂の息子さんに攻撃しようとした法愚の手を掴んで止め、
    法愚がそれに従って、お金を投げて返す場面は好きです。
    ファーツーはでも、とても魅力的です。そして私はファーツー、最終的に自死に一票です。
    90歳以上生きて下されば本当に嬉しいです。
    大僧正になって欲しいです。
    少林寺三十六房は見ておりません。不勉強ですみません。これから見ます。
    プロジェットA アメリカ版は中国語風英語に聞こえます。肝心の中国語が分からないので、
    何とも言えませんが。
    石丸さんとの法愚の声優さん、オペラを歌いそうな豊かな響きある声で好きなんです。
    書いていると尽きませんが法愚さんを大僧正にして頂いて有難うございます。
    又、他の作品もリメイクして下さい、お待ちしています!

  5. 東方異人 says

    おばさま、コメントありがとう。
    カンフーは習いました。
    ただ、以前の農耕社会での練習体系なので現代人にはそぐわない面もあるかも。
    でも文化遺産という目で見るなら、台湾とか沖縄などの偏狭の地に、古いカンフーの原型が残ってたりします。
    「システマ」と言うロシア武術があるのですが、これはカンフーの動きをかなり現代的にアレンジしてます。

    木人拳ですけど、父の仇をとるためにだけ生きてきた一龍は結局、法愚を逆に教えることが一番大きな使命
    だったと解釈してます。だから、その後の寿命はそれほど長くないのです。
    法愚は、生き残ることで今までの罪をつぐなう立場だと思います。
    ただ、私の心の中では一龍は普通に70歳くらい、法愚は90を超えても生きる(業があるので早死にしない)ので
    そんな感じになります。

    あとできたら、龍拳のラストもどうにかして欲しいです。
    あの作品で残念なのは、仇敵を許した夫人が報われずに毒を盛られ、自殺してしまうところです。
    本当ならば一番恨みが深いはずなのに、真っ先に相手を許した。
    その美しい精神は、作品の中で報われるべきだったのです。
    あのラストでは感情の発散以外に、戦う意味がまったくない。
    片足になった師範が命と引き換えに夫人を守り
    「これでようやく、罪を償うことができた」
    「いえ、あなたが後悔した時点で罪は消えていました」
    のような見せ場を作って欲しかった。
    罪は罰を与えることではなく、心から後悔することでのみ消えるのです。

    ラストがすばらしい作品としては「少林寺三十六房」があります。
    これは非常に珍しく、ラストの戦いを最後までやらない。
    戦いの途中で場面が切り替わり、いきなり少林寺に帰って穏やかな顔の主人公が後輩を指導する場面に。
    出家した主人公が殺人を犯せば、寺には戻れない。
    そしてその穏やかな顔が、人を殺さず円満に解決した主人公の、精神的勝利をも象徴しているのです。
    あの作品は展開としてはベタだけど、王道だからいい。
    非常に完成度の高い、すばらしい作品です。

  6. 西の国のおばさん says

    東方異人様、お仕事がお忙しいのでしょうね。中国版「少林木人巷」が見つからず、
    ラストファイトだけ見ることが出来ました。全く聞き取れませんのですが、少しずつ勉強します。
    中国の学生さんが身近にいます。

    私にもお金があったら東方異人様の再製作をお手伝い致します。しかし、
    一龍の葬儀ということは一龍は亡くなってしまうんですか?
    法愚には心から生きて欲しいですが、一龍も生きて欲しいです。
    一龍は下山してウェンさんと一緒に道場を開いて欲しいです。(私、ウェンさんも好きなんです)
    で、1週間に3日は尼僧さんの世玉(ですか?)さんに道場で講師になって頂いて。
    前庭の隅には油などひいて。習いに伺います。本当は法愚さんに教わりたいのですが、
    「立ていっ!」 「急所をねらえっ!」とかって怒鳴られそうなので。
    世玉さんがいいです。油の上で蛇八歩を教わります。
    功夫は全く出来ません。管理人様はHNから、きっとお出来になるのでしょうね。
    又お邪魔に伺います。東方異人様、お時間のある時に東方異人様版「少林木人巷」
    の続きをお待ちしています!

  7. 東方異人 says

    書きっぱなしで、西の国のおばさまのコメント読んでませんでした。
    ヨーロッパにいらっしゃるのですね。
    私はずっと中国文化圏にいますが、ネットの普及で民族や国際間の隔たりはどんどん縮まっているように感じます。
    英語版などでは、普通のしゃべり方と違う当て方をしていますよね。
    中国語っぽい独特のアクセントで話す言い方です。日本の洋画の吹き替えも、一般の萌芽やアニメの話し方とまったく違いますし。

    木人拳は大好きな作品で、私にお金があったら再製作したいほど好きです。
    ラストだけじゃなく、ファーストシーンも大僧正となり人から慕われている法愚が、親友となった一龍の葬儀に参加する際、初めて大悪人だった自分が一龍との因縁で仏法に帰依する数奇な人生を回顧するところから始めたいです。もちろん、主題歌はそのまま。

  8. 西の国のおばさん says

    昨日、このサイトをお借りして申し上げようと迷いました。
    そして管理人様が北の国のお住まいと知った時に心配しました。
    (北といっても広いですね)
    おじさんと仰られても私より大分お若いと思います。

    1年経ちました。大変な災害でしたね。
    日本人は頭が良い、と評判で「すぐに復興するでしょう」とのことですが
    1年間では取り戻せない、忘れられない事は沢山あると思います。
    何のお力にもなれませんことが歯痒いです。

    でもジャッキー・チェンさんも応援しています。
    私もここの地元(イタリアです)の人達と共に応援しています。
    明日のために生き抜きましょう!
    加油、(これでいいのかな)

    1日も早く、気持ち晴々とジャッキーさんの映画を見て
    みんなでジャッキーさんを語る日が来ますように!

    • kungfufan says

      お気遣いありがとうございます。
      私は東北ではなく、もっと北ですので被災はしていません。
      知人が被災し、家屋などは倒壊してしまったようですが、
      幸い一家全員無事でした。
      本日の夕方も比較的大きめの地震が、私の住んでいる地域でありました。
      震災に比べれば小さな規模でも、怖くなります。
      以前はそのぐらいの揺れは何とも思わなかったんですけどね。
      被災していない自分でもそうなのですから、
      今も東北に住む方々の気持ちは計り知れません。

      ただ、今回の件で海外からエールを送る皆さんを見て、
      海外でも大規模な事故や天災は起きていたのに、
      それに対して自分はあくまで他人事だと感じていたことを
      恥ずかしく思ったものです。
      東北の件だけではなく、もっと世界に目を向け、
      小さなことでも自分が出来ることをしていかなければなりませんね。

      イタリアでも年初に地震が続いていたようですが、
      西の国のおば様もお気をつけて。

  9. 西の国のおばさん says

    再三、お邪魔を致します。
    ドイツサイトのコメントを読んでいて意外に思ったことがあります。
    実はそれは私の頭をよぎったことでもあるのですが。

    ジャッキーさんもこの作品もドイツでなかなか人気があります。
    コメント数は少ないですが、
    「コメントの必要なし、ファーストクラスの作品」と言ってる人もいます。

    数人の投稿者のコメントですが、ドイツ人はこういう風に感じるのかと、
    私がほのかに感じたことも思い合わせて、その流れから考えますと
    ファーツーさんは自死でしょう。
    一龍さんを抱えた左腕がちょっと不自然に下がりすぎ(引っ張ったように)
    な気がします。
    しかし断言出きない、神秘さを残すラストシーンです。
    名作であり芸術作品でありえるかとも思います。

    法愚さんの気持ちを思うと切なさがこみ上げます。
    書き切れませんので今度、時間のある時にURLを貼り付けますね。(出きるのかな?)
    ファーツーさんの口調、声など日本の声優さん(悪漢一味の親分らしい、格調のある
    話し方ですよね、他の成龍さんの映画にも声で出演)と何故か似ています。
    強弱、抑揚のある言語なので、細やかな情緒を感じます。

    長々と失礼致しました。しばしファーツーさんを想わせて下さい。

  10. 西の国にいるおばさん says

    書き忘れました、というか法愚(ファーツー)さんが私の中で大きなイメージに
    なってしまったのですが一龍さんは女性にも教わってました。
    館長さんの友人の尼僧さんに。ドイツ版の此の人の声、説得力があって
    清らかです。
    他、酔いどれ和尚さん、ファーチー館長、前館長さん(極意書で)
    沢山の人達が師だったわけですね。

    ラストファイトでは尼僧さんに教わった蛇八歩が重要な型ですものね。

    英語版ではティーチャー(先生)と法愚を呼び、
    ドイツ語版ではマイスターと呼んでいる。マイスターの方が重みがあります。
    イタリア語版は残念ながらありませんが、
    ドイツ、イタリアの声優さん達はとても上手です。
    勿論、日本も上手い。だんまりという訳し方、好きです。
    ヴィーヴァ、石丸さん!

    おばさん、書きたい事書いてますが
    本当に貴重な記事をどうも有り難うございます。
    敬意を表します。お疲れ様です。

    • kungfufan says

      西の国のおば様はじめまして。

      私はどうしても中国語、日本語以外の言語で吹替えられているものが苦手でして・・・
      表現云々はそもそも言葉がわからないので字幕がなければサッパリなのですが、
      とても違和感を感じてしまって(–,)

      当時、似たような作品ばかりの功夫映画の中にあって、
      随所にひねりがあるこの作品。私も大変気に入ってます☆

      管理人こと北の国のおじさんより

  11. 西の国のおばさん says

    少林寺木人拳、ハマりました。ハマっています。
    特に最後の決闘、飽きません。師と弟子の、男と男の世界は女性には手が出せないから
    余計に魅かれるのでしょうね。あの決闘はもう皆さん、ご存じでしょうから書きませんが、
    ジャッキーさんはどの作品でもすばらしいです。しかし、あの決闘はより見事です。
    カムコンさんの大人の男臭さとジャッキーさんの初々しさ、これが又いい。
    英語版、ドイツ語版では「お前が殺したんだな!」これは原語の直訳でしょう。
    「何故、殺したんだ?!」上手い訳し方だと思います。

    暑いの寒いのというのは弟子を試していたんですか。成る程ね。
    師弟愛を試していたのかな?
    弟子は師をモラル上殺せないから、最後に後ろから抱きかかえるようにしての
    一太刀!
    東方異人さんのラストは素敵ですね。
    東方異人さんの仰る様に法愚さんには生きていて欲しかった!

  12. 東方異人 says

    コメントありがとう。
    私の中では、木人拳と龍拳と蛇鶴八歩が好きな作品です。あと、拳精も大好きです。
    「子供の頃テレビで見ていて、うきうきと楽しくなった」と言う感想を読んだことありますが、この作品はいかにも中国なんですよね。
    初期の作品は中国色が強くて、しかも演技や作品もバラエティーに富んでいます。
    初期では最後のほうの作品、蛇拳もいいです。
    これは物語の登場人物が非常に多くそれが複雑に絡み合い、色々な門派の拳法やサブキャラ同士の対決も多い、見飽きない作品です。また主人公も酔拳とは違って、純粋で誠意ある性格も好きです。
    よく問題にされるラストファイトですが、最初蛇拳でしばらく戦うシーンは映画館では確かにありました。
    テレビ放送でいきなり猫つめが出たときには「えげつないカットをするなあ」と友達と話したものです。
    個人的に言えば、プロジェクトAやそれ以降の作品は面白いと思えず、好きではありません。
    ただ、プロジェクトA2はかなり中国色が強く、ハリウッドを露骨に意識した1とはまったく別物だと感じました。
    これとスパルタンXはけっこう好きです。

    • kungfufan says

      中国色ですか、考えたことなかったです。
      私はどちらかというと香港色?の方が好みなもので。。。

      でも私も初期作品では東方異人さんと同じく、酔拳よりも蛇拳、あと木人拳、拳精好きです。
      そして私がシリアスジャッキーに目覚めた龍拳、大好きですね。
      笑拳も好きです。(あの主題歌、ジャッキーの顔、体が)

      その後はプロA、ポリスト、スパルタンあたりの王道は私は好きですよ。
      あとはファーストミッション、2000年以降ではNEW POLICE STORYがマイベストです。。。

  13. 東方異人 says

    こんにちは。お察しのとおり、中国語では「巷」とは「小道」のことです。
    「道」をさす中国語は、大きさによって 路>街>巷 です。

    この作品、大好きです。だけどラストが残念。
    ラストで出家すべきは法愚ならよかったです。彼は娘を返すと言った約束は守ったし、ところどころに仏性の目覚めが伏線として出ています。
    最後はジャッキーが逃げて自分の喉を突き刺すのではなく、ジャッキーは逃げずに驚いた法愚が寸止めし「一度技を習ったあなたは父も同じ。」と聞いて後悔するストーリーのほうがよかったです。
    同じように、僧に問い詰められ手刀を寸止めするシーンがあるのでそれも伏線に使えます。
    また、暑いの寒いのと言ってジャッキーの人間性を試すくだりもそうです。
    本人は大悪人のはずなのに、弟子の人間性を試すのはどうしてなのでしょう?
    そこには法愚自身さえも気づいていない「善」への回帰が隠されていたはず。
    なので罰されて殺されるのではなく、許されて罪を悟ると言う仏教思想が反映されたラストにして欲しかったです。
    そうしていれば名作中の名作となった、非常にすばらしい作品だと思います。

    • kungfufan says

      東方異人さん、こんにちわ。

      『少林寺木人拳』は私も大好きです。
      私はシリアスな真面目ジャッキーが好きな少数派(?)なので
      なおさら好きな作品です。

      ラストについてはあまり深く考えたことが無かったですが、
      確かにおっしゃるとおりかも。
      『新少林寺』を観た後なので尚更思います。

      法愚は悪人だけど憎めないというか、
      他の作品の悪役とはちょっと違いますよね。
      でも最後の最後でいつものお決まりの展開(汗)
      結局、単なる復讐劇で終わってしまうという。。。

      でも、ジャッキーの顔つきが違うことや、ほとんどセリフが
      無いにもかかわらず、ファンからの支持が多い作品ってことは
      それだけ評価されるべき要素が多いってことなんでしょうね。

      ただ欲を言えば、ラストの場面では
      やはり『ミラクル・ガイ』の挿入がどうしても欲しいんですよね~

  14.  一龍 says

    kungfufanさん こんばんは
    早速の回答ありがとうございます
    なるほど 少林寺木人拳じゃなく少林寺木人道みたいなニューアンスですかねぇ~
    本編中木人に挑戦するときにも木人巷と書いてありますもんね
    少しなぞが解けました感謝します
    また少林寺木人拳あたりの情報があったら特集してください
    難しいとおもいますが・・
    僕は初期のシリアスジャツキーシリーズファンなので
    また楽しみに読ませていただきます ありがとうございます

  15.  一龍 says

    kungfufanさん 始めまして
    主演作品の謎 最高におもしろいです
    特に木人拳 新精武門など 昔小学生時代にあった○○大百科みたいな
    オブラートに包んだような情報しかえられなかったので興味深く読ましていただきました
    所で木人拳の原題は少林木人巷ですが
    木人巷とはどうゆう意味なんでしょうか?
    木人の拳はおそらく配給会社がつけたのでしょうが
    もし情報おもちでしたらおしえてください
    最後に貴重記事等 誠にありがとうございます&おつかれさまです

    • kungfufan says

      一龍さんはじめまして。
      「木人巷」の意味ですが、私も特に中国語が出来るわけでは無く、
      翻訳サイト頼みなんですが(汗)
      おそらく「木人の道」、ここでの道というのは普通の外の道ではなく、
      地下などに作られた坑道のような意味合いかと思われます。
      まさしく、本編中のあの木人の通路のことだと思います。

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