林志玲／リン・チーリン【スター名鑑】

台湾のモデル・女優。各種イベントの司会、テレビコマーシャル、映画、舞台など圧倒的な露出度を誇り、「台湾第一名模(台湾最高のモデル)」の呼び名を持つ。大ブレークは30代に入ってからという珍しい経歴を持つが、それから10年で最低でも33億円は稼いだとされる人気タレントである。

容姿端麗なルックスに加え、カナダのトロント大学出身で2つの学位を持つ高学歴で知られ、中華圏を代表する才色兼備の女性タレント。台湾語、標準中国語、英語、広東語、および日本語を解する。抱えるCM契約は中華圏でトップクラスの数を誇り、高級マンションのイメージキャラクターから、ファッションブランドや化粧品、さらに家電や下着までジャンルは多岐に渡る。また、高収入ランキングや美女ランキングなど中華圏の各種ランキングにおいても常に上位をキープする常連組である。

短期留学していたこともある日本での活動も親善大使を務めるなど精力的で、大手芸能プロダクション・オスカープロモーションと契約。劇団EXILEによる舞台や木村拓哉との月９ドラマ出演、ファッション誌の専属モデル起用や日本人歌手のミュージックビデオへの出演、’13年には日中合作映画に主演するなど日本での知名度も高い。

ジョン・ウー監督の超大作映画『レッド・クリフ』がデビュー作となった女優業も順調で、’12年には日本の人気テレビドラマ『101回目のプロポーズ』の中国映画版に主演。ジェイ・チョウ（周杰倫）やアンディ・ラウ（劉德華）といった人気タレントとの共演も果たしている。ミュージックビデオや短編ドキュメンタリーなどで監督業にも挑戦、さらに歌手や声優にと活躍の場を広げ続けている。また、私財を投じて慈善基金を設立し、かねてより取り組んでいた児童福祉の活動も本格化させており、’14年にはチャリティーに貢献した人気タレントに贈られる「慈善スター」に選ばれている。プライベートにも注目が集まっているが、未だに結婚はしておらず、スー・チー（舒淇）、ルビー・リン（林心如）とともに「台湾3大剰女（売れ残り）」と言われている。

1974年

ビジネスマンの父・林繁男と母・吳慈美の子として台湾台北市で出生。一つ年上の兄・林志鴻がいる。

1990年

中学を卒業。当時モデルをしていた台湾の俳優・林健寰（ケヴィン・リン）が本屋で彼女を見つけスカウト。洗顔料の広告モデルの仕事をするが、学業を優先しカナダに留学、高校に通う。

1993年

高校を卒業後はトロント大学へと進み、西洋美術史と経済学の学士号を取得する。

1997年

大学を卒業し台湾へと戻る。美術関係の仕事を希望していたため台北市立美術館や故宮博物院など国内トップクラスの芸術機関に求職するも、修士号を持っていないということで断られる。そしてモデルの仕事をするようになった。

1998年

敬愛する張國榮（レスリー・チャン）の「Everybody」のミュージックビデオに出演。

その後、モデルの仕事を休職、教育財団の行政アシスタントを経て、トロント大学西洋美術史的研究所で修士号を取得する。

2000年

写真家の友人のすすめで、日本に3ヶ月間の短期留学。東京渋谷の語学学校で日本語を学習した。台湾に戻ってからは凱渥CatWalkと契約し、専属モデルとなった。

2001年

華岡芸術学校にて非常勤講師としてダンスを教える。

2002年

香港唐安麒国際集団のテレビ広告に抜擢され、一躍注目を浴びる。

香港のエステサロンのCMに出演し注目を集める。

2004年

この年から2006年度まで、3年連続で「ビジット・ジャパン台湾親善大使」も務める。

不動産会社や三僑微風広場（ブリーズセンター）、ジーンズのLEE COOPER、韓国の携帯電話パンテック、シャンプーのパンテーン、パイオニアなど数々のブランド製品のイメージキャラクターに抜擢、テレビや街の広告で彼女を見ない日はないという人気ぶりとなった。中華郵政の「切手収集大使」となり「林志玲切手」が発行され、映画賞の「金馬奬」の司会までも務める。コマーシャル、テレビ番組の司会などを幅広くこなすマルチタレントとして大きく飛躍する1年となった。

2005年

日本の大手芸能プロダクション・オスカープロモーションと契約。直後の7月に中国・大連でCM撮影中に落馬。肋骨6本を折り全治2カ月の重傷を負う。11月に復帰した。

台湾メディアによる、サラリーマンの選ぶ『バレンタインを一緒に過ごしたい芸能人』ランキング女性部門、ならびに『セクシー女優ベスト50』ランキングアジア部門で1位を獲得。

2007年

初の映画出演となる、ジョン・ウー（呉宇森）監督作品『赤壁（レッドクリフ Part I）』の撮影開始。巨額の製作費をかけた超大作でヒロインにあたる小喬役に大抜擢され女優デビューを飾る。

台湾メディアによる『セクシー美女100選』ランキングで1位を獲得。また、2007年度「芸能界の長者番付リスト」のモデル部門でも1位となり、その収入は6000万台湾ドル（約2億円）と見積もられた

2008年

台湾メディアによる『セクシー美女100選』ランキングで1位を獲得。

アメリカ映画『ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ（中国題：荷頓奇遇記）』の台湾版でジョージョー（喬喬）の吹替えを担当し声優に初挑戦した。（本国版ではジェシー・マッカートニーが、日本版では下和田裕貴が声を当てている。）

2009年

初の日本向け写真集『林志玲ビジュアル ファンブック』を発売。また日本で住宅商品「casa cube（カーサ・キューブ）」のテレビコマーシャルに出演。（日本でのTVCM出演はこれが初。）

日本の歌手グループSMAPのシングル「そっと きゅっと」のプロモーションビデオに出演。

中台合作映画『刺陵（トレジャー・オブ・エンペラー 砂漠の秘宝）』でジェイ・チョウ（周杰倫）と共演。本作の主題歌「帶我飛」を唄う。また、同曲では作詞も担当している。

台湾メディアによる、『一緒に住みたい芸能人』ランキング、『台湾トップ美女』ランキング、『10大美乳女王』ランキング、『セクシー美女100選』ランキングで1位を獲得。香港メディアによる調査で、その出演料が中国・香港・台湾のモデルで首位となった。

2011年8月に、劇団EXILE公演にて舞台化された『レッドクリフ 〜愛〜』に映画版と同じく小喬役で出演。

魏如昀の「目光」ミュージックビデオで監督を務める。

2010年

日本のフジテレビによる月９ドラマ『月の恋人〜Moon Lovers〜（月の恋人〜Moon Lovers〜）』に出演。これが日中通して初の連続テレビドラマ初主演となった。この作品では木村拓哉の相手役を演じ、これを皮切りに日本での露出が急増、知名度が急上昇した。

台湾メディアによる、『美容整形でなりたい顔』ランキング、同性愛者の選ぶ『欲しい卵子』ランキング、『10大美乳女王』ランキング、『セクシー美女100選』ランキングで1位を獲得。特に『セクシー美女100選』ランキングでは2007年以降4年連続の1位獲得となった。また台湾のモデル年収番付では、総収入額が1億6000万台湾ドル（約4億8000万円）超と見積もられ、2004年からの首位を継続。翌2011年も含め8年連続で首位を記録した。

2010年台北国際花博覧会テーマソング「美麗的力量」を唄う。また作詞も務めた。

2011年

台湾メディアによる、『美胸（美しい胸）』ランキング、美容整形外科医の選ぶ『バランスのとれた美しい顔』ランキングで1位を獲得。

私財を投じて慈善基金を設立し、自ら会長に就任。かねてより取り組んでいた児童福祉の活動を本格化させた。

日本の歌手ATSUSHIによるフェイ・ウォンのカバー曲「我願意」のミュージックビデオに出演。

日本の女性向けファッション誌『Grazia』専属表紙モデルに起用。

PR大使を務めるP＆G社によるがん早期発見プロジェクト「6分鐘護一生」の一環で、台湾の短編ドキュメンタリー『還來得及說愛妳』の監督・脚本を務める。

SMAPの中国・北京での公演でサプライズゲストとして登場。

2012年

『富春山居圖（ゴールデン･スパイ）』でアンディ・ラウ（劉德華）と共演。

’91年の日本の人気テレビドラマ『101回目のプロポーズ』が『101次求婚（101回目のプロポーズ〜SAY YES〜）』として中国で映画化。原作版にて浅野温子の演じたヒロイン役を担うこととなった。

中国の下着メーカー「都市麗人」のイメージキャラクターに起用される。

日本の女性週刊誌『an・an』の企画“東洋美人”人気投票で1位を獲得。

2013年

日中合作映画『甜心巧克力（スイートハート・チョコレート）』に主演し、日本人俳優の池内博之と共演。作品は韓国の「光州国際映画祭」最高賞にあたる審査員大賞を獲得。記者会見の席で、中国語、英語、日本語、ハングルと4か国語を披露し集まったメディアを沸かせた。

米経済誌『フォーブス』中国版が年収やメディア露出回数などから総合評価した『中国著名人ランキング』にてファン・ビンビン、ジェイ・チョウ、アンディ・ラウ、ジャッキー・チェン、チャン・ツィイー、イーソン・チャン、ヤン・ミー、ホァン・シャオミン、ジョリン・ツァイに次ぐ10位を獲得。前年も同順位でランクインしている。

ネットゲーム「大唐無双２」で声の出演。また主題歌に2009年の自身の歌唱曲『帶我飛』が選ばれ、丁磊(ウィリアム・ディン) とデュエットして再録音された。

脱原発を訴える著名人やタレント36組が、2カ月がかりでメッセージソング「孩子的天空」を収録。彼女が歌いだしのトップバッターとして声を届けた。

出演したランジェリーのテレビCMがその過激さから「社会的に悪影響を及ぼす」と放送禁止に。しかしyoutubeに投稿された動画は数日間で300万アクセスを記録するなど大人気となる。

2014年

ウェブサイト「網路温度計」が発表した「結婚したい女性タレント」で1位を獲得。またネットの「女神ランキング」では「艶っぽい女神」に選ばれる。

イメージキャラクターを務める下着メーカー「都市麗人」での彼女のポスターが刺激的すぎると話題になる。

日本映画『ペコロスの母に会いに行く』の台湾版に声優として参加。

第11回中国慈善ランキングで、チャリティーに貢献した人気タレントに贈られる「慈善スター」に選ばれる。