カンフーハッスル／功夫（2004）

ハリウッド資本の下で製作され、中華圏はもちろんのこと日本をはじめとしたアジア諸国でも驚異的な大ヒットを記録した超話題作！シンチーが敬愛してやまない李小龍（ブルース・リー）に捧げたというこの作品。見どころは当然アクションになるわけだが、そこはコメディー大将チャウ・シンチー。前作を上回る怒涛のCG合成＋カンフー映画マニア垂涎の豪華キャスティングで、抱腹絶倒の娯楽超大作に仕上げている。シンチー映画のお約束である、濃いキャラたちのおバカなギャグはもちろん満載。「少林サッカー」での奇妙な歌で度肝を抜いた何文輝（ホー・マンファイ）もしっかり出演。さらに、金庸の武侠小説を元ネタとした様々なオマージュで、ディープなカンフーマニアの心もガッチリ掴む。武術指導は、今や世界でひっぱりだこの袁和平（ユエン・ウーピン）が担当し、ありえない技がてんこ盛りの21世紀型ハイパー・カンフーを華麗に演出している。注目の共演者は、70〜80年代のカンフー映画を支えた達人揃いだ。まずマニアを驚かせたのは、ブルース・リーや成龍（ジャッキー・チェン）とならんで「スリー・リトル・ドラゴンズ」と呼ばれた大スター、梁小龍（ブルース・リャン）の起用だろう。「帰ってきたドラゴン」などで一世を風靡した彼が、最大の敵・火雲邪神として15年ぶりにスクリーンに登場し、その健在ぶりを見せ付けている。豚小屋砦の大家夫妻に扮した元華（ユン・ワー）と元秋（ユン・チウ）は、中国戯劇学院でジャッキーやサモ・ハンらと苦楽を共にした生粋のスタント俳優だ。元華は「燃えよドラゴン」ほか100本以上の作品に、28年ぶりのスクリーン復帰となる元秋は「007/黄金銃を持つ男」などに出演している。このほか、巨匠・張徹（チャン・ツェー）監督作品に多く出演している棒術（五郎八卦棍）の使い手・董志華（ドン・ジーホワ）や、10歳から少林寺で修行を積んだという蹴り（十二路譚腿）の達人・行宇（シン・ユー）、そして過去70本以上の映画に出演し、現在はアメリカで中国武術を指導している洪家鐵線拳の趙志凌（チウ・チーリン）など、まさに凄腕のオンパレードといった最強の布陣で贈る。

≪STORY≫横行する悪が栄華を極め、多くの人々は貧しく暮らしていた時代の中国。豊かに暮らすには悪に徹するしかない。そう信じて疑わないシン（チャウ・シンチー）は、街を仕切るギャング団「斧頭会」の一員になることを目指して、日々窃盗・恐喝に精を出していた。ある日、頼りない相棒とともに豚小屋砦という貧民居住区で「斧頭会」の名を語って小銭をせびろうとしていたシンは、本物の斧頭会に遭遇してしまう。しかし、一見情けない連中だった砦の住民たちが、電光石火のカンフーで斧頭会をあっさりと撃退してしまう。その後、斧頭会は手先の器用なシンを仲間に引き入れ、”異人類研究センター”に幽閉されている最強の殺し屋を脱獄させるが…。